わたしはオリジナル曲を収録したCDアルバム2枚とシングルを1曲発表しています。今日はそのお話です。
お箏を習って学びを深めていくと、江戸時代の曲も勉強することになります。江戸時代の箏曲は歌いながら弾くものが多く、わたしはそれがとても面白いと思っていました。
けれど今の自分の気持ちを表現するには、やっぱり自分で作った曲を歌いたいなと思うようになりました。
作曲の能力なんてわたしにはありませんでしたから、なにか少しでもできるようになれないかと何年もレッスンに通い、ようやく2015年春にはじめての曲《春まちわびて》の原型がうまれました。
そこから少しずつ曲をつくり、今日までに2枚のCDをつくることができました。
一曲一曲に私の人生が込められています。
歌唱力はまだまだですが、これからさらに進化する予定。
それぞれの曲で伝えたかった想いをここに書き残しておきます。
1st Album『DREAMER』 2016.5.18 release
春まちわびて
自分の望む幸せは多くの人の望むものではないかもしれない、家族にも反対されるかもしれない。
それでも自分らしさを貫いていいし、人がなんと言おうと自信をもって好きなことをすればいい。
自分の生き方に胸をはって生きてほしい、自分に誇りを持てる生き方をしてほしいというわたしの願いをを込めました。
胸に夢を秘めながら進路に迷う若者と、その夢を叶えた未来の自分とが対話し、未来からエールを送っています。
わたしの第一作目。はじめてできた曲のため格別な思い入れがあります。
空白
人が少なくて寂しいというのと違って、都会では人はたくさんいるのに、人と関係を築くことができなかったり、孤独がかえって深まったりしてしまう。
都会のそこここに潜んでいる種類の寂しさを描きました。
きもちが満たされなくてにぎわいだ雰囲気の街を一人さまよう…なんて経験、あなたもありませんか。
Keep on Singing
明るくみんなでLaLaLaと歌える曲にしようと思って作りました。
自分の内側に目を向けると波のない平らな海がはるかに広がっていて、私自身がそこでごく自由にしています。
そんな自分の中に広がる風景を描きました。
春まちわびて -koto ver.-
一曲目の《春待ちわびてを》箏二面で演奏したものです。
2nd Album『夜明けの流れ星』 2018.6.25 release
It’ All Right
夢や目標にむかって頑張る人を応援する歌です。
わたしが箏の修行を懸命にしていた頃、通学時や帰宅時に、くじけそうになる自分に自分で歌を歌って励ましていました。
その自分のためのささやかな歌を、曲にまとめました。
自分のためだけに何年も歌ってきた歌を、こうやってたくさんの人に届けられる形にできたことがとても嬉しく思っています。
白詰草のブレスレット
約15年前までは新宿区大久保の戸山公園と線路の間に団地があって、わたしは0歳から14歳になる直前までそこで育ちました。
団地の中に給水塔が立っていて、その下は小さな公園になっていました。
その‟給水塔公園”と呼んでいた場所で過ごした子どもの頃の記憶を歌にしました。
2016年春、実に15年ぶりに同級生と再会しゆっくり話せる機会をもつことができました。
彼は小さいころのことをよく覚えていて、その公園でのわたしとの思い出も話してくれました。
これがきっかけで当時のことを思い出すことができ、歌が自然とうまれました。
白詰草を使って花輪を作る方がいますが、子どもの頃のわたしは作り方が分からなくて、お花二本だけで手首に結んでいつも遊んでいました。
お気に入りの樹の下から、すずめが砂場で砂浴びをするの眺めたり。
移動販売の八百屋さんや焼き芋屋さんが来たり、たまにのら猫がいたり、鉄棒もありました。
そんな思い出。
花
小さな花の妖精と人間の男性との恋、というイメージです。
献身的に寄り添い、ひたすらに相手を想う愛の姿を、花の妖精が教えてくれています。
メルヘンな世界をウィスパーボイスを使って表現しています。
一部伴奏に箏を用いています。
夜明けの流れ星
時間、空間を越えた強いつながりを感じる存在と出会うことがあります。
長年に渡り関係が続くこともあれば、いっとき密接に関わってまた道が別れたり。
今は道をたがえても、いづれまた会えるときが来る。
それは来世かも、前世であったかもしれないけれど。
そんな前世的なつながりを描いた曲です。
とても豪華で壮大な宇宙を感じる楽曲になっています。
出会ってくれてありがとう、愛しています。次に会える人生の時まで。
Single『ゆき』 2018.5.5 release
ふわり、ひらり、といった日本語らしい言葉、日本語ならではの美しい言葉を表現したいという想いと、自分の中にある幻想風景を描きたいという想いで生まれた作品です。
歌と箏の旋律は、日本の音階を使っています。
もともとはピアノ伴奏の静かな曲をイメージしていましたが、最終的にはテンポを大幅に上げて仕上げました。
実際に私が弾いてレコーディングした箏の音色にも注目していただきたいです。