20180427-07

孤独を防ぎ、生きがいの源となるような琴教室をつくりたいですね

わたしは高校の邦楽部という名の部活動で琴をはじめました。高校に入学すると、各々興味のある部活動を見学に行きますよね。その時に和室の邦楽部を見学に行きました。

そこで新入生勧誘中の先輩に導かれて初めて箏を弾かせてもらうと、とてもきれいな音に感動しました。これまで知っている楽器の中で最も美しい音がすると思いました。はじめて弾いたのに、なぜか“懐かしい”という気持ちが湧きあがってきました。とても不思議な体験でした。

でもどうして邦楽部の部活見学に行ったかというと、“日本のもの”に興味があって学んでみたいと思っていたからなんですね。

わたしは中学1年生の夏休みに初めて海外旅行に連れて行ってもらいました。ロンドン、パリ、ローマ、という王道な旅先。

わたしには全てが新鮮で、石造りの多い街並み、建物のデザインの趣向、地下鉄の自動改札、スーパーマーケットのレジ、道路標識が英語だ!!とかそんな当たり前なことにもいちいち驚いて感動して“日本とは違うんだな”って思ってました。

あれも日本と違う、これも日本と違うと思いながら過ごし、帰国する頃に、「あれ?わたしが比較対象にしていた日本のことをわたしはどれほど知っているだろうか?全然知らないんじゃないか?」と思いました。

わたしの日頃の生活や暮らしている東京を見渡すと、わたしは日本らしいものなんて全然周りになく暮らしていて、東京にはむしろ欧米っぽいものばかり溢れていて、欧米っぽいもののほうがカッコイイという雰囲気が漂っていて、あれ?なんかこの社会おかしくないか?と思いました。

日本に昔からあるものの中にもクールでカッコイイ素敵なものって本当はたくさんあるんじゃないかなって。わたしの“日本探求”がはじまりました。

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それで、高校に入学したら、たまたま茶道部、邦楽部、弓道部、柔道部、囲碁将棋部なんてありまして、茶道部か邦楽部かどちらにしようかなと思いましたが、茶道のほうが比較的ポピュラーに思えて、後々自分で習いにいくことも出来そうだから、今この部活でしかできなさそうな一番レアっぽいお琴にしようと思いました。なにかを始めるときの理由って案外そんなもんですよね(笑)

部活見学に行ったら前述のように、美しい音に懐かしさを感じて不思議だったので、ちょっとやってみようと思って入部しました。

高校の卒業生に琴の先生がいらして教えに来てくださっていましたが、なにせ進学校でそんなに部活に力を入れている高校ではなかったので、邦楽部の活動は火曜日と木曜日の週二回、90分ずつのみ。部員も2年生3人、わたしの代は最初4人、途中でみんな退部していって2年生になる頃には結局わたし1人。後輩は5人入部してくれました。そんな弱小部でしたが一生懸命練習して演奏会に出て、楽しかったですね。

さてさて高校を卒業して大学に入学したらまた、たまたま邦楽部があったので、爪も持ってることだしちょっとやってみようかなって思って入部しました。大学生の部活は全て自主運営なので演奏会をするときは準備が大変でしたが、自由にやりたい企画ができたし、曲も色々なものに取り組めてとても面白かったです。

大学の部活ってそんなに熱心にやったりしないのかなと思ってましたが、先輩たちはみんなとても真剣に取り組んでおられて、その姿を見てわたしもやる氣に火がつきました。同期はいなくとも、とてもいい先輩と後輩に恵まれ、楽しく部活できました。幸せな時間でした。

邦楽部が楽しすぎて、やめたくない、もっとやりたいと思ったことで、今があります。

大学卒業してから琴の師匠のところに入門して、バイト生活しながら受験勉強。受験して、音楽院に入って、二年間修業。師範免状いただいて、琴教室をひらきました。

今はありがたいことに教室の生徒さんたちの発表会も定期的に開けるようになって、とても幸せです。

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こうやって振り返って見ると、わたしにとっては琴をつうじた活動は人生の生きがいだったんですね。

目標にむけて仲間といっしょに準備を重ねること、夜遅くまで手が痛くなるまで練習したこと、本番を終えたときの達成感、仲間との絆。人生の宝物を得ることができました。

わたしの生徒さんには細く長く続けてほしいなと思っています。もちろん太く長くができればよりよいですが、お仕事やご家庭の事情でそんなにたくさん時間をさけない時期もあると思うんです。それでも、少ない時間でもいいのでぜひ継続してほしいと思っています。生涯の趣味になったら最高ですね。

20代から40代って忙しいと思うんですが、でもそこで辞めずにどうにか続けると、やっぱり将来にわたって様々な面でいいことがあると思うんです。

わたしが書道教室に通っていた頃、30年から50年近く書を学び続けている女性たちがいらっしゃいました。それからわたしの大学の先輩で40年尺八を続けていらっしゃる男性と親しくさせていただいています。みなさん子育てや海外赴任など多忙な人生を経ていますが、継続されてきたんですね。人生ある程度の年齢になると、やっぱり時間に余裕が出て来る。そうなった時に若い頃から続けているものがあるのってやっぱり強いんだなと、そのような先輩方を見ていて強く感じます。

長年積み重ねてきた技術や経験があって、仕事や家庭でない第三の社会活動ができる。なにより、それを通じたコミュニティが持てる、人と関係が持てて、孤独にならない。いくつになっても生きがいを持って日々を過ごせる。とてもとても大切なことだと思うんです。

そういう意味でも、生徒さんたちが楽しく長く続けられる教室をつくりたいと思っています。わたしの琴教室が多くの人の人生に寄り添い、彩りを与えてくれるものになってくれたらいいなと思っています。もっともっとたくさんの生徒さんと一緒に活動できるようになりたいですね。

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教室案内はこちら

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