IMG_20190407_150751.jpg

お箏って何でできてるの?お箏の材質 ~箏という楽器について1~

先日、調布にあるお店でライブの準備をしていたら、会場のマスターの小学校1年生のお子さんが興味津々という様子だったのでちょっとお琴を弾かせてあげたんです。そうしたらその子が「これはどこの国の楽器?」と尋ねてきて、私は少々びっくりしながら「日本の楽器だよ。千年以上昔からあるんだよ」と教えてあげました。その子は驚き、目を輝かせていて、幸せな交流の時間でした。

そうか、そうだよね、私もたぶん中学生くらいまで箏の存在を知らなかったものね。たまたま高校でクラブがあったからはじめられたけれど、そうでなかったら今も知らなかったかもしれません。

わたしは生まれた時から箏があったとかいう家庭環境で育ったわけではないので、箏がマイナーな楽器であることはよく分かっています。でもね、いい音するよ。弾くの楽しいよ。みんなもやろうよって思うから、箏という楽器についてわたしが調べてきたこと、学んできたことをこれから書いていきます。

お箏について調べたいと思っても、普通の本屋さんや市民図書館にはまず資料が置いていなくて、勉強のしようがないんですね。大学生の部活時代、どこでどうやったら調べられるのか、知識にアクセスできるのか、さっぱり分かりませんでした。日本文化であろうものなのに、全然身近にアクセスできないことに、非常にはがゆく残念に思っていたことを思い出します。あの頃のわたしが知りたかったことを、あの頃のわたしに伝えるつもりで、順に書いていきたいと思います。

1515055513194.jpg

箏は桐の木で作られた共鳴胴に、13本の絃が張ってある楽器です。

大きさは182cm(六尺)あります。

中は空洞になっています。左右の裏側に裏穴(サウンドホール)があいています。

重さは楽器によって違いますが、わたしの楽器は6kgでした。

よく、大きくて大変、家に置く場所がない、なんて言う方がいますが、布団を敷く位のスペースがあれば一人で練習はできます。弾かないときは壁に立てかけて保管しておけばいいだけなので、学生の独り暮らしのアパートなんかでも案外できるものですよ。

参考:お琴の大きさは布団より小さいです

 

桐の木は会津や新潟の寒冷地で育ったものが上質とされています。

箏をつくるには20年程の年輪が必要で、さらに年輪を重ねたものが珍重されています。

木の質が音色に関係してきますので大切です。

四分六板や竜角、雲角の材料には、紅木(こうき)、紫檀(したん)、花梨(かりん)が使われます。

IMG_20190407_150751.jpg

糸の材料はかつては絹でしたが、現在はテトロン糸が主流です。

絹糸の方が音はいいとはいわれていますが、テトロンよりもとても切れやすく、値段も高価なため、テトロンが一般的には使われています。テトロンはポリエステル繊維の一種。東レとテイジンが開発した製品で、この2社が製造したものがテトロン®︎と呼ばれます。テイジンのテ、東レのト、ナイロンのロンを合わせて、テトロンという名称だとか。

 

箏柱(ことじ)はプラスチックですが、高級品は象牙です。

 

f0357059_21183653

爪は象牙またはプラスチック製です。

生田流は四角い爪、山田流は山型の爪。

爪輪は、四ツと呼びますが猫の皮のもの、ヤンピー(山羊)、合皮があります。

エナメルとよばれていますが、四ツ皮に黒いエナメルが塗ってあるものがあります。堅い使用感です。

ヤンピーが一番柔らかいです。

 

爪輪の大きさは自分の指のサイズに合わせます。爪輪の下のラインが自分の爪の下のラインを越すぐらいがいいとよく聞きますが、わたしとしては自分の指先から出る箏爪の長さも重要なポイントだと思います。短い方が小回りがきくし、力が入りやすい。力が入りにくい人さし指は最初は短めがいいと思います。親指は短すぎるとスクイ爪の奏法がしにくいです。

爪の大きさも色々ありますし、象牙の柔らかさや厚みにもよります。何組か持って使い分けてもいいかと思います。

制作が難しくなっている和楽器

なんでこの材料なのかなと不思議に思っていたのですが、長い長い歴史の中で、日本で手に入る材料の中から最も良い音のする材料を研究されてきた結果がこれなのだと思います。弦なんか日本だから絹ですが、大陸だったらガットだもんね。

現代材料の入手が難しくなってきているので新しい素材が研究されているようですが、古くから使われている材料を越えるほど良い音が出せる素材がまだ発明されていないのだと思います。一生懸命似せて作っているんだけれど、いまだ自然の素材に敵わないんですね。テトロン糸だけその点、置き換えが成功していますね。

 

今回は材質のお話しでした。楽器紹介のお話しまだまだ続きます。

また見てね。

 

【参考文献】

坂本正彦・吉崎克彦・水野利彦(1993)『箏のためのハンドブック』家庭音楽会出版部